大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和42(あ)2629 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中三〇日を本刑に算入する。

理 由

被告人の上告趣意について。

所論のうち、警察官から取調の際暴行を受け自白を強要されたとの点は、憲法違

反の主張をするかのようであるが、原判決ならびにその認容する第一審判決は、被

告人の司法警察員に対する供述調書をなんら事実認定の証拠としていないのである

から、右主張は原判決自体の違憲をいうものではなく、適法な上告理由にあたらな

い。のみならず、記録を検討しても、右暴行の存在を疑わせる証跡は認められない

から、その点においても、所論は前提を欠き、適法な上告理由とならない。所論の

その余の部分は、すべて事実誤認、単なる法令違反、量刑不当の主張であつて、刑

訴法四〇五条所定の上告理由にあたらない。

弁護人の上告趣意について。

論旨第一点のうち、判例違反をいう点は、当裁判所のいかなる判例に違反するの

かを具体的に挙示していないから、上告理由として不適法というべきである。論旨

のその余の部分は、事実誤認の主張であり、適法な上告理由とならない。論旨第二

点は、事実誤認、単なる法令違反の主張に帰するものであり、適法な上告理由にあ

たらない。

そのほか記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号、刑法二一条、刑訴法一八一条一項但

書により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

昭和四三年四月一六日

最高裁判所第三小法廷

- 1 -

裁判長裁判官 飯 村 義 美

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 松 本 正 雄

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!